門の鍵
アメリカのテロ事件以来なのか、
日本での幼児虐殺事件以来なのか、
最近、どこもかしこも「安全対策」とか「警戒対策」とかがすごいらしいですね。
そういう話はよく聞いていたけど、カッパとは無縁だと思っていたのは私だけかしら…
ところが、先月くらいに、
カッパでも不用品が敷地内に置かれたり、
子どもを送ってきた父親が、知らない男性と早朝にバッティングしたり、
というできごとがあり、不安が募る出来事がありました。
いや、具体的には、父母が不安を抱いたり、
カッパの安全対策に対して疑問を持ったり、と
イロイロな感情が渦巻いたようです。
私自身は、万が一、自分の子どもに何かが起きたらどうしよう!!という心配よりも、その互いに「恐怖心の増殖力とその速さ」にぞっとしましたが…
(アメリカ人とかは、こうやって恐怖を響かせ合っていったのだろうか、とかね。)
というわけで、
かっぱの安全対策についてスタッフと父母が話し合う場が設けられました。
そういう場を設定し、お互いの「危機感」の違いや、そういう「万が一の出来事」についてのスタンスを話し合うことで、だいぶ親の危機感は緩和されたようです。
(注:といっても皆さま感じ方がそれぞれですから、個々人と話をしたわけではありません。)
結局、私が現在見たところの変化は、
1)ドアと門に、動くと(綺麗な?)音がするベルと、
カウベル(こっちはうるさい)がつきました。
2)壊れていた門のノブが直されました。
3)同時に、門に鍵が付けられました。
* * * * * *
ここでは、カッパのサイトではなく、私の個人コラムなので、
私個人がこの件に関してどう考えているかとまとめておきたいです。
…複雑な想いです。
まず、この件があったときに、私がどう考えたか。
確かに気味が悪いが、
カッパのスタッフは、ちゃんと子ども達を見ているので、
安全対策もなにも…
実際に何かがあったら、しっかりとした判断力で行動してくれることでしょう。
と、考えたら私は「のん気」なんだろうか?
警戒心がなさすぎなんだろうか?
何かあってからじゃ遅い、
と他の父母から怒られるだろうか?
次に、こう考えました↓
【私だったらどうしただろう?】
1)地域の人たちにちゃんと話をして、もっと一緒に注意をしてもらう
2)警察に、似たような件があるか確認する
3)壊れた門を直す
そして、このような結論に達しました↓
【カメラや鍵をつけることが解決策になるとは思えない。】
もし、鍵をつけたら…とイメージしました。
どうしても、「ビフォー」と「アフター」の状況が、
そこで大半の時間を過ごすスタッフと子ども達にとって
「安全」かつ「快適」になるとは思えません。
それどころか、毎回鍵を閉めるということは、外で遊んで帰ってくる子ども達は
自分で出れない。そして入れない。(=逃げられない)
それって、どうなの?
地域の信頼はどうなるの?
いつもオープンで、窓はあけっぱなし、門もゆらゆら開いてて、誰でもちょこっとだけ立ち寄れて子ども達を眺め、声をかけやすいあの雰囲気は?
…なんか、感じ悪ぅ~…
これって、親の安心感は得られるかもしれないけど、
そのために失うことって多すぎない?
(まとめ、終わり)
* * * * * *
話し合いの後、しばらくして門が直されました。
で、ついでに鍵がつけられました。
鍵がついて初日。
門をいつものように、押してあけようとしたら…
「ガンっ!」
足をぶつけました。
「ちっ、なんだよ…」と困っていると、
迎えの店の兄ちゃんが
「鍵つけてたみたいだよ…」
と、開け方を教えてくれたときの、複雑そうな顔。
そうだよね、やっぱり複雑だよね。
入ってから、地域の人たちが鍵を付けてくれるのを
手伝ってくれたという話を聞きました。
「オレを締め出すために鍵つけんだろー」と淋しそうに冗談をいいながら、
それでも鍵をつけるのを手伝ってくれたというSさん。
聞いる私も、話しているスタッフも辛かった。
と思えば、逆に、
OBにあったとき、「鍵がついちゃったんだよー」といったら
「このご時世だもんねー」とあっさり言われて感じた違和感。
「他の保育園では全部オートロックだよー。」
みんながこうだから、私もこうしなければならない?
みんなもしているので、しかたがない?
違うと思う。
私は、そうじゃないと思う。
じゃぁナニが正解?と聞かれても困るけど、
もっと、こういう問題はじっくり考えたほうがいいとも、思う。
とにかく、これまで蓄積してきた、目に見えないナニかが、
鍵をつける、という一瞬の行為で壊れてしまった気がしました。
もうすぐ全体会。
鍵はかけてほしくない、と発言してみる予定です。
少なくとも、話はできる。それがかっぱのいいところ。
少し気持ちが救われます。
と、いうわけで、全体会で発言しました。
皆それぞれに想いと考えがあって、
それを出し合える状況に、まずは感謝。
鍵をつけることで安心をする人もいれば、
私のように、鍵をつけること自体、抵抗感がぬぐえない人もいる。
そんな差異を認め合いながらの、
妥協点を今後さぐっていくことになりました。
まずは、1週間鍵をしめる。
せっかくつけたんだから、徹底してしめるようにしよう。
それを体験して、皆がどう思うか、再び考えよう。
鍵を閉める一週間のあと、逆にこれまで通り閉めないでみよう。
両方体験してから、またお互いの意見を出して考えよう。
いいたいことが全て言えた上に、前向きなプロセス。
Posted by MIA : at 4 23, 2005この日、参加していた父母とスタッフは夜遅くまで話していました。本当に関心のある議題がでると、いつもこんな感じです。貴重な空間です。